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  テレビドラマ『おやじ太鼓』は、第1部は1968年(昭和43年)1月16日〜10月8月【全39回】及び第2部は1969年(昭和44年)4月15日〜10月14日【全26回】火曜日(21:00〜21:30)にTBS系で、全65回が放送されました。制作は木下恵介さん・松竹テレビ室・木下恵介プロダクション・TBSで、原作は木下恵介さん、脚本は木下恵介さんと山田太一さん、監督は桜井秀雄さん、川頭義郎さん、大槻義一さん他です。音楽は木下忠司さんで、主題歌はあおい輝彦さんの唄う「おやじ太鼓」(作詞作曲:木下忠司)です。第1回〜第11回はモノクロ、第12回〜第65回はカラーで放映されました。この作品は1949年(昭和24年)に木下恵介監督、主演が阪東妻三郎さんで制作された映画『破れ太鼓』のテレビドラマ化です。当初は、26回の放送予定でしたが、平均視聴率24%(最高世帯視聴率・第1部1968年(昭和43年)4月9日:27.5%)と好評を得て39回に延長され、さらに半年後に第2部26回(最高世帯視聴率・第2部1969年(昭和43年)4月22日:22.75%)が放映されました。当サイト実施の「木下恵介アワー(木下恵介劇場)の人気アンケート」で、第5位(263票/5,095票)です(2019年7月20日現在)。なお、DVD-BOXが2012年8月29日に松竹株式会社から発売されました。

  土建業を営む鶴一家は、主人のカミナリ頑固の亀次郎(進藤英太郎)、妻の愛子(風見章子)と四男三女の七人の家族です。今日も朝から晩まで父親のカミナリが家のあちらこちらに落ちて一家は右往左往します。しかし、家族のことを考えているので、どこか憎めない頑固な親父さんでもあります。子供たちの受験、仕事、恋愛、結婚、そして食べ物など様々問題で頭を悩ます妻愛子はカミナリ親父もさらっとかわします。でも、カミナリ親父を一番理解しているのも妻愛子、そして、カミナリ親父が一番愛しているのも妻愛子です。第2部では長男・武男(園田啓介)の新妻・待子(春川ますみ)が登場して、亀次郎と上手く折合いをつけていきます。このドラマは、食べる場面と飲む場面が多くあり、「旨(うま)いものを食べることよりも、美味(おい)しく食べること」「旨(うま)いビールを飲みことよりも、美味(おい)しく飲むこと」で「人の話・輪・和」を大切にし、人と人との繋がりを描いた作品でもあります。

  主演の建設会社社長の頑固なカミナリ親父こと鶴亀次郎役に進藤英太郎さん、妻の愛子役に風見章子さん、父親の会社で社長秘書する長男・武男役に園井啓介さん、次男・洋二役に西川宏さん、大学生の三男・三郎役に津坂匡章さん、浪人生の四男・敬四郎役にあおい輝彦さん、会社員の長女・秋子役に香山美子さん、大学生の次女・幸子役に高梨木聖さん、高校生の三女・かおる役に沢田雅美さん、長男武男の新妻・待子役に春川ますみさん、兄嫁の高円寺の伯母さんの正子役に小夜福子さん、長女秋子の恋人の神尾光役に竹脇無我さん、その祖母役に東山千栄子さん、次男洋二の恋人の水原トシ役に西尾三枝子さん、次女幸子の恋人の西川役に山口崇さん、お手伝いさんはお敏役に菅井きんさんと初子役に新田勝江さん、お敏の母親のイネ役に岸輝子さん、途中採用の運転手の黒田役に小坂一也さん他の出演です。

  このドラマの第1部が放映された頃のオリコンの第1位を見てみると、ムード歌謡(ラブユー東京)⇒フォークソング(帰って来たヨッパライ)⇒歌謡曲(恋のしずく・ゆうべの秘密)⇒洋楽(マサチューセッツ)⇒グループサウンド(花の首飾り)⇒演歌(星影のワルツ)とジャンルを異にする曲が入替り混沌としていましたが、逆に多様性があり活気のある時代であったことが窺われます。また、一見パラバラのようで、同じ時代を生きた一体感も感じられ、音楽も園児から年寄りまで幅広い世代が、同じ歌を口ずさみました。また、明治・大正・昭和と波乱の時代を生きた人々が、同じ時代を作っていった面白さがあり、逆に対立の原因となりました。元フォークルセダ−ズのメンバーの北山修さん(精神科医師・元九州大学医学部教授)は、上の世代が「戦争も知らないくせに」の言葉に反抗して、「戦争を知らない子供たち」 (1971年2月5日発売)を作詞をしたと語っています。まさに「親子断絶」の言葉が流行した時代で、若者たちは上の世代が重しのように蓋をされ、その重さを持ち上げる覚悟と力量が求めれた時代に『おやじ太鼓』は放映されました。
(2005年10月 管理者「マヤの暦」)